ソマリ。

月曜日から飲みに行き
さらに徹夜で趣味に興じ
私が起こさなければ遅刻しそうになる。


白いワイシャツにはカレーうどんのシミが飛び
スーツの肩にはフケが落ち
座った勢いでズボンがやぶけたり
なんだかもう。



止まったら負けとイノシシのように突進し
自己催眠にかかったかのような信念で
この世の全てを撃破していけるような
そんな根拠のない自信がマンマン。



オネーチャンの口車にのせられて
鼻の下がびろーんと伸びて
調子にのってなけなしの生活費を大盤振る舞いしまう。



わたしが髪型を変えようが香水を変えようが
もしかしたら住んでる家を変えても
しばらく気づかないんじゃないかと思うくらい
彼女のわたしに無頓着。



自己中で
めんどくさがりで
負けずぎらいで
メタボで
かつ軽く薄毛。



わたしはソマリが部落民でなかった方がよかったし
タバコは吸わない方がよかったし
血液型はO型がよかった。


ケンカしたら
タバコけむいわ!副流煙最悪やわ!
とか
部落民やから言葉きっつ!そんなでかい声出さんでもきこえるわ!
とか
やっぱA型しんど!こまか!なんでもっとおおらかにできへんねん!
とか思います。



でも、わたしはソマリと出会わなかったら
こんなに心から笑ったり怒ったり泣いたりできなかった。
こんなに全力で人間と接せなかった。
こんなに自分自身に立ち向かわなかった。

だから、部落民で喫煙者でA型でメタボで薄毛で
そんなソマリと出会えたわたしは
みんながびっくりするぐらいしあわせです。



ソマリのお父さんお母さん
おじいちゃんおばあちゃん
ひいおじいちゃんひいおばあちゃん
そのまたおじいちゃんおばあちゃん
ソマリへ続く全てのご先祖さま


わたしをしあわせにしてくれて
ほんとうにありがとうございました。




2009.2.14  はちまきより