同和補助金。


大阪市浪速区にある芦原病院は、

【病院概要】

開設年   1963年10月

病床数   173床(一般病棟114床、療養病棟59床)

職員数   195名

診療科目  内科、小児科、外科、整形外科、女性科、眼科
      耳鼻咽喉科、皮膚科、歯科・口腔外科、麻酔科
      放射線科、精神心療内科リハビリテーション

看護    一般病棟:2.5:1看護・比率70%以上
      療養病棟・介護病棟:療養2群入院医療管理 I

外来患者  536名/日平均

入院患者  160名/日平均

敷地面積  4,077.42平方メートル

建築延面積 12,065.66平方メートル

特殊施設  糖尿病教室、栄養指導教室、女性科相談、小児健康相談

指定機関  各種保険指定医療機関労働者災害補償保険法指定医療機関

交通案内  JR環状線芦原橋駅下車徒歩2分


こんな感じの病院なのですが、けっこうメディアを騒がせています。


http://mbs.jp/voice/special/200604/10_2404.shtml

http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/kaikaku/oc51215a.htm

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200604280040.html

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200604270031.html

http://www.sankei.co.jp/news/060428/sha130.htm


始まりは「同和地区での地域医療」の中心にすることを目的とした同和事業だったようです(たぶん)。けど例によって例のごとく、同和事業が終わった(法的根拠消滅)あともお金的な援護射撃は継続していました。お金的な援助というのは、当時、大阪市の同和対策方針に基づいて民間医療機関を同和地区医療センターとして扱うことで準公的病院として位置つけになった芦原病院への無担保融資や補助金などのことです。


芦原病院の沿革と設立趣意

http://www.ashiharahp.or.jp/sub21.htm


とりあえずわかっているだけで補助金190億円、無担保融資130億円くらいだそうです。あんまり無責任なことはいえませんが、宛名が芦原病院名義のものだけの話なので、職員寮とか駐車場とかなんとかかんとか色んな付録がついているだろうなと想像しています。


で、ちょっと問題整理。


病院経営と同和援助を分けて考えます。


補助金や融資がなければ成り立たない病院ということは経営不在ということです。経営母体が無能であることの証明です。

②同和対策終了後における大阪市の芦原病院に対する援護射撃自体も問題ですが、その手法もかなり問題です。


①については、去年?民事再生の適用申請をしています(要するに倒産)。負債額は134億円。その内の130億円を貸してあげていたのは大阪市なのですが病院側のコメントは「放棄をお願いするしかない」とのことです。その理由は。「150人の入院患者、毎日500人の通院患者への医療を継続するため、病院を閉鎖してはならないという共通認識は市にもある」です。今は別の医療法人に営業譲渡されています。


②については、基本的に補助金というのは設備資金であって運転資金ではありません。ですがその補助金のほとんどが運転資金(自転車操業)に流用されていたようです。公的資金ですので、使途についての報告や決算などを大阪市に提出しているのですが、大阪市は黙認。それどころか補助金申請から報告に至るまでを大阪市の職員が作成していました。それに関わった大阪市職員は「とにかく病院をつぶしてはいけないと思った」というコメントをしています。さらに病院が銀行から融資を受ける際には大阪市がわざわざ銀行に「責任をもって返済させます」という保証のような念書のようなものを提出していました。もちろん今となっては大阪市が自らコツコツ返済しています(笑)。


裁量だけでここまでできるものなのか、と。


裁量というのは、法律とか条例で細部まで決めることはできないので、個々のケースに対して柔軟な判断をすることができる行政の権限です。普通は、1+1=2ですが、裁量権を使うと、1+1=0とか1+1=8とかになるというイメージです。


とりあえず無茶苦茶なのですが、いつものようにメディアの矛先は大阪市の問題追求ばかりで同和側の問題については触れようとしません。喧嘩両成敗は少し意味が違いますが、ニコイチの関係で生じた問題ですので、ぜひとも同和側の問題も追及していってもらいたいです。


てか、それがメディアの役割だろう。と、思いました。