『解読!水平社宣言』

水平社宣言、ありゃあ間違いだ。
ビジョンのないところに実現はない、その一言に尽きる。


オイラの解読のっける。


宣言


全国の部落民よ、兄弟たちよ、立ち上がる時がきた。


エタやヒニンと呼ばれなくなり半世紀。我々は試行錯誤を繰り返したが、部落の辛さは何もかわらないではないか。今、思う。足りなかったものは何か。それは人間のプライドではなかったのか。同情に似た情けは、解放の朝を迎えることができないまでか、強く生きる力までもを奪ってしまったのではないか。今、自らの足で歩く時がきたのだ。


父や母、先人たちの夢は自由と平等だった。その夢はいまだ叶わぬままだ。しかし、獣の皮を剥げば身を引き裂かれ、獣の血を浴びれば心を引き裂かれ、あざわらうように唾を吐きかけられる悪夢の中でも枯れないプライドは、今も我々兄弟の血となり熱く流れているではないか。


もう一度言おう、兄弟たちよ、立ち上がる時がきた。先人たちのプライドを胸に。闇を知るわれわれは、光が何たるかを知っているではないか。聞こえるだろう、人の世に熱と光を求める声が。


全国水平社はこうして生まれた。

 
人の世に熱あれ、人間に光あれ。

 


差別が無い世界のイメージは書かれてなかった。どんなものかわからんが、その日まで誇りを持って解放運動していこうってもんだ。熱いメッセージだ、オイラ好きだ。だが、「あんな世の中あったらいいなー」って希望である以上、ビジョンではない。水平社宣言は、部落民のあったらいいなーリストだったんだ。解読終了(はやっ)。


頂上を見るために山に登る、上らないと頂上は見えない。って反論されそう。だけどね、今はどんな山の頂上でも写真で見れる。未知への冒険家じゃないんだから、知らない山には誰も危険で登ろうともしない。情報社会なんだから。ナニがいいたいかってーと、


水平社宣言は部落民の希望の羅列で当事者だけが熱くなれるって代物だ。部落民だけで部落差別は解決しねー。仲良しクラブじゃちょっと寂しい。今、解放運動はその方向に移ろうとしてるみたいだ。けど真ん中に抱えてるのは未だに水平社宣言。


ウチの味がわからねぇ奴は客じゃねえっ!って頑固オヤジはたいてい店を潰します。


お客様は神様です。ミナミハルオじゃないけれどね。解放運動は、今まで部落民をお客様にしてたんじゃないかな、これからはみんながお客様にしないとね。だから希望だけじゃダメなんだ。ビジョンを見せなきゃ。ビジョンが商品なんだからさ。でないと、いいサービスや顧客満足、カスタマーファーストなんてついてこない。


ズバリ言うわよ。


水平社宣言を捨てよう。ビジョンのために。