惜しみない拍手を。


TURANDOT



王子様、聞いてください。
ああ、王子様、聞いてください。
リューはもう耐えられません。胸が張り裂けるようです。
あなた様のお名前を心に、そして声で呼びつづけて。
それはとても長く、悲しい歩みでした。
もし明日、あなた様の運命が決まったら。
私は放浪の果てに生きる道を失ってしまいます。
ご老人はご子息を失い、私は微笑の影を失ってしまいます。
リューはもう耐えられません。
ああ、憐れみを。



誰も寝てはならない、寝てはならない。
あなたもそうだ、皇女さま。
あなたの冷たい部屋でごらんなさい。
愛と希望にふるえる星を。
しかし私の秘密は私の胸にある。
私の名前を誰も知ることはできない。
そうではない、あなたの唇に私がいう、光が輝いた時。
そして私のくちづけは、沈黙の中に。
あなたを私のものにする。


これは荒川静香さんがトリノで選んだ曲の中の一篇です。


プッチーニ作のTURANDOT(トゥーランドット)という
一途の愛をテーマにしたオペラ。
私は彼女がこの曲にめぐり合ったことに一方ならぬ運命を感じています。


それは、彼女の演技には少しでもいいから楽しんでもらいたい、
という心を感じるからだったり、
とにかくスケートが好き☆ていう気持ちが伝わったりするからなのですが、
それがバーゲンセールみたいな値引きサービスではなくて、
お客様がほんとうに満足感を味わえる類の心意気だからです。


作品?


私は芸術のことはさっぱりですが、


直前に曲を変えたことも、得点にならない技を演目に加えることも、
批判や中傷を受けていましたが、それは自分の好きなスケートを、
自分の演技を見に来てくれたお客様に少しでも伝えたいという気持ちの表れで、
それが大事なんだということを証明してくれたようにも感じています。




ありがとう。